2009年03月28日
お受験
今日は、ピアノ講師の姉の生徒たちの発表会「あすなろ音楽会」がありました。
(写真は、ゲストに招いたダンス&パーカッションのユニットの演奏風景です)。
私が生徒たちに出会うのは年に一度、この日だけ。毎年、成長ぶりを楽しみにしています。
小さい男の子だと思っていたある子が、春から中学受験に向けて塾に通うので、ピアノをやめると聞きました。もうそんな歳だっけ?と尋ねると、新4年生だといいます。毎朝6時に起きて勉強し、毎日バスで塾に行くため、ピアノを弾く時間なんて全然ないんですって。
……。
小学生には、勉強よりも大事なことがあるでしょう!と叫びたくなりました。
頭の善し悪しは、塾や勉強量だけで決まるものではありません。できる子は塾になんか行かなくたってできるし、できない子は自分はだめな人間だと思いこんでかわいそうなだけです。
小学校時代は、遊びを通じたくさんの経験を積み重ねる中で、自然の仕組みや社会の仕組み、人間のあり方などを体で学び、考え、生きる力をつけていくとき。そんな貴重な時間を勉強だけに費やさせるなんて、子どもの未来の可能性を摘み取るようなものだと私は思います。
塾や受験を全否定するつもりはないけれど、彼は緊張した表情で、かたい音を出していました。
同じぐらいの歳の別の男の子が、パーカッションのリズムに合わせて自分の膝を一所懸命に打っていたのに、この彼は体を固めてじっと見ているだけでした。
どうか、彼が自然や芸術から遠ざかりませんように。体の内側でうごめくものをむやみに押さえつけず、内面を耕し、豊かさを育てる機会を失いませんように。
すべての子どもたちが、自分の世界を大切にし、自分らしさを発揮していきいきと生きていけるような社会になりますように。
その環境を整えるのは、私たち大人の責任なのです。
(げんげん)
Posted by 遊人里(ゆとり) at 21:35│Comments(0)
│ゆとりなひとびと
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