2010年02月05日
つぶらなシイ
第5回あまのじゃくくらぶのとき、集合場所の三井寺階段下に、小さなどんぐりがいっぱい落ちていたのを見られたでしょうか?
ツブラジイ。食べられるどんぐりの一つです。
このまま殻を割って食べられますが、少し乾燥した方がおいしいし、炒るともっとおいしいと思います。
普通「シイ」というとスダジイのことを指しますが、同じような形の殻斗(帽子)を持っていて、ミニチュア版という感じ。
寺社仏閣に植えられていることが多く、三井寺にもたくさんあります。
それにしても、ちっちゃくてまるっこくてかわいいやつです。
コジイでもヒメジイでもなく、つぶらなシイと名付けた人のすてきな感性に乾杯☆
(げんげん)
2009年10月17日
食べられるどんぐり
質問があったので、食べられるどんぐりをご紹介します。
どんぐりはブナ科の木の実の総称です。クリやブナまで含めると、日本には22種類あるそうです。
縄文時代にはおそらく主食として食べられていた木の実。
スダジイ、ツブラジイ、マテバシイ、シリブカガシ、イチイガシ、ブナ、イヌブナ、クリは、あく抜き不要で食べられます。
このうち、スダジイ、ツブラジイ、マテバシイは私は生で食べてみました。スダジイとツブラジイはそのままでもそこそこ食べられます。少し乾燥させると、よりおいしくなるようです。拾いたてのマテバシイは、大きな実から水分がじゅわっと出る感じで、あまりおいしいとは思いませんでした。これも少し乾かすと、もしかしたらおいしくなるかもしれません。
本には、マテバシイは「食べられるけれどあまりおいしくない」と書かれています。ただ、皮が堅いからか、虫に食われにくいようです。虫がこわい方にはよいかも。
シリブカガシとイチイガシは、あまりそのへんでは見られません。京都御苑(御所)には生えています。よく通っていた頃には食べられると知らなかったので、まだ味わったことがありません。
ブナやイヌブナは山手の方に行かないと出会えないと思います。
そのほかのどんぐりは、私の手持ちの本ではこんな分類になっていました。
●少し渋みがあるので、水にさらし、あく抜きをしてから粉にして食べる。あく抜きをせず小麦粉と混ぜてどんぐりクッキーを作ることもできる。
コナラ ナラガシワ ミズナラ
●青臭くて少し渋いので、どんぐりの皮を外し、水にさらしてあく抜きをして細かくつぶすか粉にして何かと混ぜて食べる。
カシワ クヌギ アベマキ ウバメガシ
●渋柿ほどではないが渋い。皮を外してよく水にさらし、あく抜きをして細かくつぶすか、粉にして何かと混ぜて食べる。
アラカシ シラカシ アカガシ ツクバネガシ ハナガガシ ウラジロガシ
ちなみに、始めに紹介したグループは「あく抜きをしなくても、炒ったり炊いたり、粉にして団子にして食べられるどんぐり」でした。
どんぐりだんごの作り方は、福音館書店の「どんぐりだんご」という本に詳しく紹介されています。どんぐりのあく抜きがいかに大変かがよくわかります。
他にも、「どんぐりの図鑑」「どんぐりノート」がこの季節にはおすすめの本。
また、「やまちゃん」さんが、コメント欄で良い資料を教えてくださいました。ありがとうございます。環境省の生物多様性センター「身近な生きもの調査2000 身近な林・秋冬調査編」です。
これらの資料を片手に抱えて、子どもと一緒にどんぐり拾いに出かけましょう。
できれば味わってみてくださいね。
(げんげん)
なお、左端の検索メニューから「どんぐり」で検索してみると、過去のあまのじゃくくらぶブログのどんぐり関連の記事が読めます。こちらもご参考にどうぞ。
2009年01月26日
冬の山登り
厄除けで有名な、大津市南郷の「立木観音」(安養寺)に行ってきました。
自分と家族の厄年が続いたため、ここ4年ほど毎年同じ時期にお参りに来ています。
長く急な石の階段(700段超!)で有名ですが、脇の方から山道を歩いていくことができるのです。
山の登り口ではイチゴを見つけました。フユイチゴなのかな?
山道は歩きやすいように広く整備されています。ゆるやかな上り坂なので、しんどいと感じることもありません。
立木山の山道は木が多く、眺望はそれほど良くはないのですが、それでも木々の間から遠くを見られる場所があります。
私の顔よりも大きなホオの葉っぱがあちらこちらにたくさん。この葉っぱは半分土に還りかけていますよ。レースになっています。香りのいいタカノツメの葉っぱもよく見かけました。
小さなまつぼっくりや赤い木の実が見つかりました。ちっちゃなどんぐりも。ツブラジイの実です。その場で殻を割って、中身を口の中へポイ。ほんのり甘くておいしいどんぐりです。
梢では何種類かの小鳥がさえずっています。そういえば、去年はキツツキのドラミングも聞いたのでした。3羽ぐらい近い距離で見ることもできましたが、鳥の種類はわからなくて残念。
この季節は葉っぱがない落葉樹は、春のために小さな冬芽を準備しています。とってもかわいらしいの。
子どものころは「耐寒遠足」というやつで、よく冬に山に登らされたっけ。あのころはしんどいだけだったけれど、自然と仲良くなってきた最近では、山に登るのが本当に楽しくなってきました。
寒い季節だけれど、この時期ならではの自然を楽しむため、山に入ってみるのはいかがでしょうか。
体も心もあったまりますよ☆
(げんげん)