箱膳(はこぜん)

遊人里(ゆとり)

2009年02月04日 17:36




 遊人里グループと同じ、おうみ未来塾9期生の仲間「しゃくなげ学校未来塾」のメンバーが実施された「箱膳モニターツアー」に1月31日に行ってきました。

 「箱膳」ってご存じですか? 昔のお家で使われていたもので、30センチ四方ぐらいの箱の中に、ひとそろいの食器とふきんが収まっています。家族が一人ひとつずつ、この箱膳を持っていて、食事のときにそれぞれが自分の箱膳を取り出してきて使ったのだそうです。映画「武士の一分」には出てきたそうですよ。





 さて、ほとんどのうちではもう処分されていたこの箱膳を、しゃくなげ学校未来塾の皆さんは復元されました。ツアーではそれを使って、昔の食事を楽しませてもらいました。
 箱膳のふたをひっくり返して箱の上にのせ、その上によそった食器を並べます。
 メニューは雑穀(あわ、ひえ、きび、アマランサス)の入ったご飯、味噌汁、鶏肉と根菜の煮物、お漬け物。昔の普通の人の食事情から考えると、ハレの日のメニューという感じですね。どれもとてもおいしくいただきました。

 箱膳がおもしろいのはなんといってもここからです。食べ終わったら、食器に白湯(今回はお茶)をそそぎ、おこうこ(漬け物)で食器についた食べ物をきれいにふいて、全部飲み干します。きれいになれば、さらにふきんで拭いて……。



 ほらっ、こんなにぴかぴかに! まるで洗って乾かしてあるみたい。
 これを元どおり、自分の箱の中にしまって、片付けます。次の食事のときには、またこれを取り出してきて、そのまま使います。

 今みたいに水道から水が出てきて、食器洗浄乾燥機が勝手にきれいにしてくれる時代とは違って、かつての箱膳は、忙しい女性の手を省き、水も節約する、昔の人の知恵のたまものでした。
 自分が努力することなしに電気と水をじゃぶじゃぶ使ってボタンひとつで済ます現代人と違い、昔の人って、えらいなー、かしこいなー、と感心しながら帰ってきたのでした。

(げんげん)

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